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月刊サイクルスポーツではおなじみのフリーライター藤下雅裕氏によるブログ「自転車生活」。
藤下さんの「自転車生活」VOL.97
 ■ウインタージャケット

 

●冬のライドは朝が氷点下、日中の気温が10度を切って5度くらいになります。いかに冷たい風をコントロールするかで快適性が変わります。バイクウエアのアッパーは本格的に保温性能が高く、フロント・フルジップなどで風の流入をコントロールして体温調整できる組み合わせを考えないと、寒かったり、上り坂で暑すぎたりで、快適にロングライドを楽しめません。

ベース、ミドル、ウインドブレーカーの重ね着の組み合わせを選ぶか、保温性の高いウインドストッパー生地採用のウインタージャケットを上に着るかを考えましょう。

 

●いずれにしろ重ね着になるわけですが、ロードのトレーニングなら体温調整重視のウインドブレーカーで風を防ぐ組み合わせがいいし、ロングライドの場合は、なるべく動きを制約されないでリラックスできて、温か〜いウインタージャケットを基本にしたバイクウエアの組み合わせがいいですね。

まずはベースレイヤ―として、しっかり保温性や肌触りが良く、汗を肌から吸い上げて蒸散させてドライな感じを保ちたいので、アンダーウエア選びが重要でしょう。

 

●冬用のアンダーウエアと言えばクラフトです。半袖や長袖の他に、長袖で前をウインドストップ生地でカバーした厳冬期向けのモデルがあります。

化学繊維ですがドライ感やフィット感は抜群で1枚は持ちたいアイテムです。伸縮性の高い化学繊維で織られた生地は保温性が高く、繊維は汗そのものは吸わず、肌で発生した汗を生地の表面へ吸い上げて、外へ送り出して蒸散させる機能を持っています。その上に長袖の裏起毛素材で通気性のあるフロント・フルジップのジャージなどを重ね着します。

 

●その上に、フロント・フルジップの防風ナイロンのウインドブレーカーをはおれば、走行中にジッパーを開閉して空気の入る量を調整して、体温調整できる組み合わせになります。

ウインドブレーカーはマイクロファイバー製のペラペラの生地で風を防ぎ、折り畳めばコンパクトで重さも80g台というモデルもあります。ロードトレーニングには最適なアイテムです。

 

●汗を大量にかいても冷たくならないアンダーウエアを望むなら、湿度を繊維が吸うと発熱する、100%ファインメリノウールのアンダーウエアが最適です。

汗を吸ってビショビショになっても冷たくならず快適です。雨にあってアンダーウエアまで濡れても、ファインメリノウールのアンダーを着ていれば冷たくならないので、天候が急変する可能性がある冬のライドには最適なアンダーウエアです。

アイベックス、パールイズミ、モンべルなどにラインナップされています。半袖と長袖があります。

 

●天然繊維のウールのかさかさする部分を繊維から削り取っているので、しっとりとした温かい肌触りを実現、スーパーファインメリノウールのジャージやセーターは、伸縮性が高く動きをじゃましないし、保温性だけでなく、汗の発散性にも優れているので、体温を一定に保つコンディショニングウエアとして、アンダーウエアや、その上に重ね着してデッドエアを増やして保温性を高めるミッドウエアとしてセーターを採用すると快適です。

 

●さ〜て、ウインターウエアの真打ちは、何と言ってもオールインワンの防風性、保温性、汗の蒸散性能、はっ水性などを兼ね備えたウインタージャケットでしょう。

アソスでいえばフグジャケットやウインタージャケット、ラファのクラシックウインタージャケット、デマルキのウインタージャケットが代表的なモデルです。

他ブランドも続々とラインナップしています。ウインタージャケットは、これ一枚でいいという分けではないけど、ホットアンダーの上に着てもいいほど保温性が高く、ミドルの重ね着を減らせるほど保温性の高いジャケットです。

 

●ウインタージャケットは、前面に風を防ぎ汗を蒸散させるというウインドストッパー素材を採用、表面の生地と裏の保温性の高い生地の間に、多孔膜フィルムをラミネートして、汗の蒸散させ、体感温度を下げる風を防ぐ機能があります。

背面はより汗を発散させる素材を採用して蒸れを防ぎ、保温性の高いジャケットです。ウインドストッパー素材もどんどん進化していて伸縮性が向上していますし、サイドパネルに伸縮性の高い素材を採用して、よりフィット感が高まっています。フロントはフルジップでジッパーの開閉で、風の入る量を調整してベンチレーションできます。

 

●10度を切るフィールドでは、長袖ホットアンダー、長袖ジャージ、その上にウインタージャケットを着れば快適に走れます。日が差して気温が高くなったり、上り坂で体温が上がったり、発汗してきたらフロントジッパーを開けてベンチレーションします。

ウインタージャケットには、バイクジャージのように背面に3ポケットの付いているタイプや、背面にジッパー付きの大きなポケットが付いたモデルがありますから、使い勝手など好みで選びましょう。寒い冬もバイクライドを楽しんでください。ではでは。 

| - | 19:28 | comments(0) | - | | ログピに投稿する |
藤下さんの「自転車生活」VOL.96
 ■チューブラータイヤとホイール


●レースの世界で主流になっているチューブラータイヤですが、タイヤ単体のショック吸収性やグリップ力などの性能だけでなく、チューブラーリムは軽さの割に強度が高い構造なので、スポークのテンションを上げて、ホイールの剛性を上げてパワーロスを防ぐことができます。

タイヤとホイールとトータルすると、クリンチャ―タイヤやチューブレスタイヤとリムの構造は、ホイールの剛性を上げにくくアドバンテージがあります。

 

●チューブ状のチューブラータイヤは、トレッドゴムの張り付けられた部分だけでなく、リムへの接着面近くのタイヤサイドまでがしなやかなに変形する構造です。

このしなやかに変形するのがショック吸収性や転がり抵抗を左右するチューブラータイヤのキ―ポイントです。7〜9気圧の高圧に設定してもショック吸収性が優れ、荒れた路面ではタイヤのトレッドゴムだけでなく、しなやかなタイヤサイドも変形して、トレッドゴムが路面のデコボコへ追従して、安定したグリップ力を発揮します。

 

●チューブラータイヤは高圧設定にすると、タイヤ全体が変形しにくくなって、接地面積は少し減ります。タイヤのトレッドゴムは接地する前は円い状態で、路面に接地し始めると平らな部分が増えて、もっとも幅が広くなってからは、だんだん平らな面が小さくなり、路面から離れると円くに戻ります。このタイヤが繰り返し変形することが転がり抵抗になります。

しなやかなタイヤほど変形による転がり抵抗が小さいので、パワーロスが少ないということです。

 

●タイヤには、適正空気圧が設定されていますが、上限推奨空気圧と下限推奨空気圧が表示されているタイヤは、その範囲で転がり抵抗、ショック吸収性、耐リム打ちパンク、コーナーでの踏ん張り、ラインを修正したときの追従性、ブレーキングの制動距離などがバランスする空気圧の範囲ということです。ただし、欧米の大柄なライダーが使用することを配慮して、体重80kg前後のライダーを想定しているので、それより軽量なライダーは、0.5〜1気圧低い設定で最適な特性に設定することができます。

 

●ちなみに、しなやかさで定評のあるヴェロフレックスのクリテリウムの23Cを、一般道で8気圧、路面のスムーズなサーキットレースでは9気圧に設定しています。

一般道では100kmを越えた当たりで、疲れてきてから感じる、路面のデコボコを伝える不快感を避けるために、ショック吸収性を重視した設定です。

上り坂でダンシングしたりするとややタイヤの変形量を感じますが、前後輪8気圧のクリテリウムのセッティングは、快適に長く走る空気圧として最適です。

 

●路面のスムーズなサーキットコースのエンデューロでは、タイヤ全体の変形量を抑えて、接地面積はわずかに小さくなりますが、タイヤの変形量が小さくなって転がり抵抗も減りますし、トレッドゴムを路面へ強く押し付けることでグリップ力を高めることができます。

空気圧を9気圧に設定しています。
リッチ―、ハッチンソン、チャレンジャー、ミシュラン、マヴィック、ヴィットリア、コンチネンタルの700・22〜23Cの太さのチューブラータイヤは、60〜70kgのライダーは7〜9気圧の範囲が性能を発揮できる空気圧です。

 

●スムーズな路面のサーキットエンデューロでいい感じだったので、ヴェロフレックスを一般道で9位圧の設定で試したことがありますが、路面から弾んでしまい接地感が低下して、路面からのショックの伝達もはっきりストレスになるので、8.5気圧も試しましたが、やはり8気圧に落ち着きました。

高性能クリンチャ―タイヤ、チューブレスも試しましたが、乗り心地の良さで、チューブラータイヤユーザーを止められません。ホイールも、チューブラータイヤを張り付ける構造で、リムが三角形や台形断面の中空構造になるので、同じ重量でも剛性の高い俊敏なホイール特性が可能です。

 

●リッチ―、ハッチンソン、チャレンジャー、ミシュラン、マヴィック、ヴィットリア、コンチネンタル、ソーヨ―、デュガスト、FMBの決戦モデルのチューブラータイヤを試しました。

ショック吸収性とグリップ力なら、ソーヨ―・シームレス、デュガスト、FMB、リッチ―、ハッチンソン、ヴェロフレックス、チャレンジャーが優れています。

耐貫通パンク性能ではコンチネンタルとビットリアとマヴィックです。加速の良さや巡航の軽さは、ソーヨ―、ディガスト、リッチ―、ヴェロフレックスです。

 

●チューブラータイヤのパンクは、予備チューブラータイヤと張り換えて対応するので、最低1本、220〜270gの予備タイヤを持って行く必要があります。

ちょうど、SKSのドーム型のマイクロシェルに、予備タイヤ1本、ミヤタのリムテープを2.1mを一巻き。16gの炭酸ガスカートリッジ1〜2本、それに携帯工具が収まります。これでライド中のパンクに対応できます。

 

●チューブラータイヤの張り換えは、両面粘着のミヤタのリムテープが発売されて以来、飛躍的に簡単に接着できて実用接着強度にできて、パンクした現場で簡単にできるようになりました。

炭酸ガスカートリッジ式ポンプを採用すれば、パンクしたタイヤをナイフで切って、リムから引きはがす手順に慣れてしまえば、10分程度で修理できて走りへ復帰できます。

しかも、1〜2km走ればリムテープの接着強度も高まり全力で走っても問題無くなります。でも、2度目のパンクは致命傷になります。

 

●今使っているヴェロフレックスのクリテリウムは、700Cサイズで、23Cの太さです。実際に8気圧の設定して使っている状態では21.5mm〜22mmの太さになっています。タイヤコードの素材は化学繊維でかなりしなやかなタイヤカーカスで、タイヤコードのナチュラルカラーに近いクリーム色のタイヤサイドと、ハイグリップの真っ黒なトレッドゴムのクラッシクなタイプです。

 

●トレッドゴムは黒一色のしなやかなコンパウンドで、転がり抵抗も小さく、空気圧を9気圧と高めに設定すれば、スムーズなサーキットのような路面では、タイヤサイドの変形量が抑制されて、トレッドゴムを路面へ押し付けてハイグリップを発揮します。

でも
、一般道を走るとすれば、8位圧に設定して、タイヤサイドのしなやかさで荒れた路面でもトレッドゴムを路面へ追従させて、高いグリップ力を発揮させます。

トレッドゴムの寿命は使い始めて6ヶ月くらいでしょう。センターにはラインのパターンが付いています。
チューブはラテックスのロード用の軽量モデルで、タイヤ重量は245〜250gと、ロード決戦モデルとしては一般的な重量です。

 
●パンクしたときに、クリテリウムのタイヤをナイフで輪切りにするたびに、トレッドゴムの下に耐貫通パンク素材が埋め込まれていないか確認するのですが、いまだに存在しないみたいです。

転がり抵抗やしなやかさをスポイルすることになるから採用しないんでしょうね。
耐パンク性をもう少し高めてくれると安心して走れるんですけどね。
ではでは。

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