CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
 
月刊サイクルスポーツではおなじみのフリーライター藤下雅裕氏によるブログ「自転車生活」。
<< 藤下さんの「自転車生活」VOL.420 | main | 藤下さんの「自転車生活」VOL.422 >>
藤下さんの「自転車生活」VOL.421

苦しくても脚へのダメージが少ない回転重視のペダリング

 

回転重視のペダリングへのチャレンジしてみてください。

踏んでいないと速く走れていないんじゃないかと思いがちです。

確かにグイグイ踏み込むペダリングで走るとスピードは出ます。

でも、その高い運動レベルを続けて走り切るには、LSDトレーニング、レジスタンストレーニング、最適なフォーム

踏めて回せるペダリングの修得、体幹トレーニング、回復

特に上り坂を速くなりたければ、体脂肪量や体重のコントロールなどが必須となります。

 

250ワットから450ワットの大きなパワーで、登坂抵抗に打ち勝って、時速23kmから30kmのスピードを維持して

バイクを前へ進ませるヒルクライムレースでパフォーマンスを発揮するには、体内に酸素を取り入れる心肺機能も

乳酸の発生に耐えて筋肉を収縮させ続ける耐乳酸性も

爆発的に発生した乳酸を血液に乗せて肝臓へ運び出してグリコーゲンへ還元する乳酸除去能力も

その能力を刺激して開発する、乳酸に耐えて運動を続ける、苦しいレジスタンストトレーニングで鍛える必要があります。

 

大きな抵抗が発生する登坂抵抗に打ち勝つ、高トルクを発生するペダリングが常に要求される

ヒルクライムレースの特性に合わせて本格的に鍛え上げているライダーなら

男性のトップライダーのようにスタートから乗鞍マウンテンヒルクライムの22km先のフィニッシュまで

1時間を切って走り、踏み味の重いクランクを踏み続けたり回し続けることができるかもしれません。

女性ライダーでも1時間7分が乗鞍で上位入賞を狙うライダーの目標設定です。

 

だけど、そんなヒルクライムにターゲットを絞って本格的にトレーニングしているライダーでも

スタートからフィニッシュまで一本調子で走っている分けではありません。

乗鞍の6%から8%の勾配の上り坂で、登坂抵抗に対抗するパワーを発揮して

時速23kmから30km前後のスピードを維持して走りつつ、上り坂の勾配や距離に合わせて

筋力的に負荷のかかるクランクを踏み込む力と、心臓や呼吸系に負荷のかかる回転力との

パワーを発揮できて1時間継続できる、絶妙なバランスを探しながら走りパワーセーブして走ります。

 

上り坂の途中で、途中で疲労物質が蓄積して筋肉の収縮力を抑制して脚の本来の動きが止まってスピードダウンしないよう

ぎりぎりの運動強度を把握して、ここは踏み込む場所、ここはスピードを維持して行く場所と

走り方を切り替えて、ロケーションに合った効率のいいスピードとパワーで走って、トータルでタイムを短縮する走りをしています。特に森林限界を越えた当たりからは深い呼吸を意識して、回数を増やしても体内に取り入れられる酸素量が減って、有酸素運動がきつくなってパワーダウンするので、無酸素運動レベルを頼りにしがちです。乗鞍のヒルクライムコースの走行を経験することで、ペース配分や使用するギヤ比を検討して、効率のいい走り方を身に付けます。

 

ヒルクライムのレースは常に登坂抵抗との戦いになり、スタート直後からフィニッシュまで大きなパワーを発揮し続けることになります。

高いレベルでの有酸素運動と、無酸素運動のミックス状態になります。

登坂抵抗に打ち勝つための踏み込むペダリングは、無酸素運動の領域に入るので、乳酸が発生して

しばらくその高い運動強度レベルを続けると、大きな力を発揮できる無酸素運動が優位になって、爆発的に乳酸が発生します。

乳酸濃度が高まっても筋肉の収縮を続けられる、耐乳酸性には個人差があります。

そのライダーが耐えられる乳酸値のレベルを上回ると、筋肉の収縮を抑制し始めてパワーダウンします。

 

まだそんな、踏み込むペダリングで22kmを走りきれないというライダーは、回転重視のペダリングで上ることにチャレンジしてみましょう。

上り坂を回転重視で走り切るのも、呼吸数や心拍数が上昇する苦しさに耐える覚悟がいります。

でも、脚の筋肉の収縮を妨げる乳酸の発生を抑制することができます。

毎分95回転から110回転をキープできる軽めのギヤ比で、脚の筋肉の動きが重くなりにくいペダリングで走ります。

 

毎分95回転から110回転キープの回転重視のペダリングで走ると、まず戸惑うのは呼吸数が上昇して苦しくなること

そして心拍数も170拍を越えてドキドキしてきて、これは肉体的にも精神的にも苦しいので

効率が悪いのではとか、苦しくて続けられないとか、疲労が激しいのではと思ってしまいがちです。

特に初めての体験ではそう思ってしまい、踏み込むペダリングで筋肉のパワー頼りのペダリングに戻してしまうライダーが多いのです。

 

でも、初めての回転重視したペダリングでの上り坂の走りは、呼吸や心拍が上昇して苦しい走りでも

走り切った時の脚の筋肉のダメージが少ないことに気が付くはずです。

最大勾配8%くらいの上り坂を、毎分95回転以上をキープできるギヤ比を選んで走ってもらいました。

最初から110回転で走っていましたが、どうもディープリムホイールのパワーロスのない370gのカーボンリムのホイールより

このライダーにはカーボンロープロファイルリムが350gと軽く

踏み出しが軽いハイペロンの方がマッチしているなと感じて交換しました。

 

34T×32Tの軽いギヤ比で、110回転から114回転で上っています。

呼吸数は上昇して、心拍数も175拍を越えて苦しくなって、肉体的にも精神的にめげそうになるそうです。

でも、苦しいのに脚への負担は余裕を感じてクルクル回せています。

かなり苦しいのに、5kmの上り坂はクランクを110回転で回せて、いままでにないスピードを維持できるという不思議な体験だったそうです。

次の上りセクションは、時速1kmから2kmスピードを落として

軽く回せるギヤ比で100回転から105回転キープの設定で走ってもらいました。

時速1kmから2km落とすことで、かなり楽に走れるようになります。

 

高いケイデンスを保つために脚の筋肉を早く動かすことになり、乳酸を発生させる原因になることもありますが

毎分70回転とか85回転くらいで走るのを楽に感じているライダーは、呼吸数や心拍数が上昇しないことを楽だと感じているのです。

低回転のペダリングで前へ進む感じの、気持ちのいいスピードを維持する走りは、負荷の小さい平地なら、最初の1時間から1時間半は苦しくない気持ちのいい走りと感じます。

ところが、いつまでも続けられそうだった、気持ちがいい走りのはずが、思ってもいない事態になります。

負荷の大きい上り坂では乳酸が爆発的に発生して、スピードを30分も維持できません。

 

低回転の踏み込むペダリングは、乳酸除去能力を上回って徐々に乳酸を蓄積して

乳酸濃度が耐乳酸性を上回って筋肉の収縮が抑制されて、踏めなくなってパワーダウンして、スピードが低下してしまいます。

そうなると、どうにもこうにもクランクを踏み込めなくなって、スピードダウンしてしまいます。

20分とか30分走ると血流によって乳酸が除去されて、また踏めるようになります。

こういう経験をしたことがあるライダーはぜひ回転重視のペダリングにチャレンジしてください。

 

毎分70回転から85回転を心地良いと感じているライダーは、最初は少し軽く感じるギヤ比に設定して

毎分90回転から110回転を目標にペダリングします。

少しずつクランクを回す脚の動き、呼吸数や心拍数の上昇することに慣れていくことをトレーニングします。

そうすると、軽い負荷でパワーを発揮できるようになり、乳酸の発生が抑えられたり

パワーダウンするまでの間隔が長くなったり、快適なスピードを維持して長く走れるようになります。

ヒルクライムだけでなく、ロングライドを元気に完走するための基本的なメソッドです。

ではでは。

| - | 19:53 | comments(0) | - | - | - |