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月刊サイクルスポーツではおなじみのフリーライター藤下雅裕氏によるブログ「自転車生活」。
藤下さんの「自転車生活」VOL.12
■ バイクパンツは快適です!

長く走っていると「お尻が痛くなる」ことが有ります。男性ライダーも女性ライダーにもよく聞く話しです。走っている途中でお尻が痛くなったら走るの嫌になっちゃうし、1度そういう嫌な体験をしてしまうと、自転車で走るのは「お尻が痛くなる」というトラウマになっちゃいますよね。ときには、長く走っていなくても痛くなっている人もいます。お金と手間をかけても、快適な楽しいサイクリングをするのに重要な要素です。お尻が痛くなる原因はいくつも考えられるし、それらの原因が複合していることも考えられます。



■「お尻が痛くなる」原因は

サドルの形状やパッドの厚さなどがお尻に合わない。サドルの取り付け角度でストレスのかかる位置や強さが変わるので、尿道や性器や股関節の内側、ふとももの内側や付け根がサドルやバイクパンツのパッドとこすれて痛くなることも有ります。バイクパンツのパッドが合わないことも有ります。サドルの前後位置が合っていなくてもストレスのかかる部分が集中して、痛くなることが有ります。ペダルを踏む力(筋力)が不足していて、重めのギヤを踏んで回せないので、お尻にかかる圧力を分散しきれないことも考えられます。スポーツサイクリングの快適走り、快適ペダリングの基本は、まず、ライダーにフィットするパッド付きのバイクパンツや、パッド付のインナーパンツを採用して圧力を分散することです。



■時速20Km未満と以上で違う

そして、常用速度や上半身の起きている角度を配慮して、パッドの厚さやサドル全体のクッション性を選ぶこと。深い前傾の健脚ライダーはパッドが薄くても耐えられる傾向があり。上半身が起きているエントリーライダーは、パッドの厚い方が上半身の重さによる圧力を分散できて快適です。穴あきサドルは座った直後は痛くなり勝ち名部分へ接触しないので快適です。しかし、長く乗ると穴あきサドルの穴のふち触れる部分で血流が妨げられて、褥創(床ずれ)になったりすることがあるので注意しましょう。床ずれは、骨とサドルに挟まれる部分でも起こりやすいのです。床ずれは軽い段階では、皮膚が赤くなったり、押すと痛みを感じることがあり、そこまでなら休めば回復します。しかし、さらに症状が進むと、皮膚の中の組織が破壊され壊死して、皮膚が破けてしまい医師の診断と治療が必要になることも有ります。



■床ずれやこすれによる痛みが発生しないために

常用速度が20km未満で、上半身が起きているライダーなら、サドルの後ろ端の幅やクッション性も重要です。しかし、平均時速20km以上のライダーなら、あまり厚くないパッドでも圧力を分散して対応できます。そして、サドルの中央から先端へかけての幅が合っていることが重要でしょう。もし、太股の内側にサドルの中央から先端が接触していたら、毎分70回転のペダリングでも1時間に4200回もこすれるので、皮膚表面が痛くなってしまいます。こすれに効果的なのはアソスのFI13などに採用されている、皮膚との抵抗の少ない生地を使ったパッドです。パッドが厚くクッション性は良くても、股の幅に合わないパッドとか、股の部分でごわごわしている抵抗の大きいパッドでは逆効果です、こすれの原因になります。パッドは付いていれば言いというものではありません、注意して選びましょう。ショップのスタッフに使用感をアドバイスしてもらいましょう。



■抵抗を減らすクリームにチャレンジしましょう

ぴったりフィットするバイクパンツは嫌、という方には、パッド付きのインナーパンツと、動きやすいトレッキング用や他のスポーツ向きのショートパンツ、自転車用のロングタイツやニッカーという組み合わせもありですね。このバイクパンツ選びが快適な走りを約束してくれます。女性ライダーの中には、バイクパンツの下にパンツをはいているライダーが大勢いますね。思い切ってバイクパンツを直接はくと、パッドのスレを防止する特殊な生地の機能や蒸れを防止する機能など、快適性を100%発揮できるんですけど。摩擦を減らすアソスのシャーミークリームや、オロナイン軟膏をパッドに塗ってはくことをチャレンジしてみてください。そうそう、ショートのバイクパンツが恥ずかしいと言う方にお薦めなのがサイクリングニッカーです。ひざ下までの長さがあるとなぜかリラックスできるんですね。春先にから真夏でも、これはいいと思いますよ。UVカットクリームと組み合わせてUVケアにもなりますし。



■本当に痛くなる場所はどこ?

男性ライダーのお尻が痛くなるという場所を特定してみましょう。まず、レーサーからロングライドを走る前傾姿勢のライダーに、一番ストレスのかかるのは股関節の骨の周りです。前傾姿勢が強い走りでは座骨はあまり関係がありません。痛くなった場所を手で探りながら脚を動かすと、はっきり股関節が動いて痛くなっている部分が分かります。その股関節の内側のサドルに触れる場所です。ここが一旦痛くなるとギヤ比を重くして踏んでペダルに分散しようとしても、状況はどんどん悪くなり痛さが増してしまいます。よくサドルメーカーが言っている、座骨がサドルの中央から後端に触れて、その骨の先端部分が痛くなることは、時速20〜25kmで走るスポーツ走行ではまれです。上半身が相当起きたスピードが遅い状態の走りのときに起こります。



■どんなサドルに注目ですか?

男性ライダーの健脚向きサドルは印なし、コンフォート系サドルは★印です。快適サドルとしては、やっぱり人気なのはフィジーク・アリオネ、そのシリーズは注目です。アリオネCXカーボンレール、アリオネトライ2(★)、アリオネトライ2カーボンレール(★)、超コンフォート系ならロンデュネ・メン(★)。レーシングならセラサンマルコ・アスピデ、アスピデ・アローヘッドジェルアラウンド(★)、やはりレーシングでパワーロスの少ないのがよければセライタリア・フライトでしょう。女性用はやはり超快適ならフィジーク・ロンデュネ・ウーメン。レーシングならセラサンマルコ・グラマー、グラマージェル(★)、のんびり走りならセライタリア・レディ(★)などの採用を検討してみてください。ショップスタッフがサドル選びと快適なセッティングをアドバイスしてくれます。ではでは。

| - | 21:14 | comments(0) | - |
藤下さんの「自転車生活」VOL.11
■ 前後輪で違うモデルを使うこと!

普通は前輪マヴイックのキシリウムSLなら、後輪もキシリウムSLという、前後輪に同じブランドやモデルを使うのが普通のパターンです。でも、同じモデルでも完組みホイールは、よ〜く見ると前輪と後輪がまったく同じような構造や設計かと言うとそうではなく、スポークの本数、リムの高さや剛性など、細かい部分が違っているモデルが目立ってきています。前輪と後輪の役割をはっきり分けて考えてみようという試みが具体化した製品になっています。前後輪とも路面からのショックを受けるので、求められる縦方向のショック吸収性はほぼ同じと言えるでしょう。横剛性はハンドルによる入力がありますから前輪のほうが求められますが、コーナーリングやダンシングで左右に力が加わりますから後輪もほぼ同じ強度が求められます。そこで、ボクは今のところ100kmくらいまでのロングライドでは、前輪はジョバンニの木リムホイールかハイペロンでショック吸収性による快適さと、路面のデコボコをリムが変形して吸収して転がってくれるこのホイールで、楽に走れるのでセットしています。後輪はボーラかハイペロンを使っています。100kmまで走るのに常用しているのは前輪に木リムホイール、後輪にボーラです。



■ハイペロンの後輪とボーラの後輪との使い分けは

ハイペロンの後輪はボーラより明らかにしなやかで、踏み込んだときにパワーロスはしますが、その分だけホイールがたわんでくれて、踏み込んだ脚への反力が小さくダメージが来ないのです。ハブのフランジのフリー側の大型化、左右非対称のオフセットリム、スポークテンションの左右の均一化により、左右のリム部分の変形は少なく、左右均等に設計されています。この当たりがカンパニョーロのホイールテクノロジーの凄いところです。ハイペロンも15番ゲージのエアロスポークが採用されて、エアロダイナミクスの効果はある程度期待できます。その中のスポークの1本が丸断面のスポークで、バルブの重さを打ち消すバランサーになっているところなんか「涙モノ」です。



■カーボンディープリムホイールのボーラに換えてみると

ボーラは驚くほど平地でも上り坂でも前へ進んでくれます。ボーラからハイペロンへ乗り換えた瞬間など、ホイールが柔らかくてどこか壊れているのか?、スポークが緩んでいるのではないかと勘違いするほど不意込んだときのホイールの剛性が違います。上り坂で確認してみましたが、見事にパワーロスを防いでいることがわかりました。ボーラをセットするとフリー側で1歯か2歯重いギヤが同じ上り坂で踏めるのです。これは上りでも使うしかありませんね。究極のトルクンかかる場面でのこの違いは決定的な差を物語っていると思います。実はハイペロンの方が上り坂に向いていると思っていました。しかし、今まで、乗り換えて走るたびに実験してわかったことを感じていたのです。改めて不動峠でテストしてみてそれがはっきりしました。ではハイペロンの存在意味は何処にあるのか。それは踏み込んだときの反力のなさです。100kmを越えて走るようなときにこの特性は絶対に優位に働くはずです。



■前輪と後輪の構造の違い

前輪は路面にタイヤが設置して転がり、ステアリングシステムの1部品として、バイクのセンターからわずかにずれてコーナリングすることも有ります。バイクは後輪駆動なので、前輪には駆動トルクがかかりませんが、ハンドルを引いたり押したりする力により前輪へ横方向の力がかかります。車輪の構造的にはハブのフランジが広く、後輪より高い剛性が確保されています。後輪はフリーのスプロケット10枚が納まる分だけ、ハブのフランジの左右の幅が前輪ハブより狭く、しかも、中央からフランジまでの距離はフリー側が狭く、反フリー側が広くアンバランスになっています。これが原因でフリー側のスポークの張りが強くなり。反対側のスポークの張りが弱くなるのが普通でした。このアンバランスが原因で後輪ホイールの剛性が低く、強度も前輪より低くなります。



■ ところが、ところが!

完組みホイールはメーカーがリム・ハブ・スポーク・ニップル・フリーボディなど、全ての規格、設計をトータルで見直しが可能になります。そうなると、前後輪に求められる機能を徹底して見直すことで、新たな規格や設計がアイデアとして考えられるのです。後輪のフリー側は反フリー側のスポークテンションのアンバランスを解消するアイデアが採用されています。左右のスポークの本数の違い、そして接触させない交差スポーク、ラジアル組みなどの組み上げ方、さらに、リムのアンシンメトリック化(左右非対称)、ハブのフランジの大きさをフリー側を大きくして強化するなど、スポークのテンションを同じに近づけ、リムの左右の剛性バランスを均一化することで、駆動してもパワーロスなく伝わり、しかもホイールとしての剛性バランスがよくなり、走行中のリムの振れが出にくいので、進むホイールになるのです。もちろん上級モデルのスポーク形状は空気抵抗軽減のためエアロ形状が採用されています。



■前輪は後輪より強度が高い?

スポークの本数は、前輪が少なく、後輪が多いというパターンが多いのは、スポークテンションにより支える構造の違いと、前後輪で求められる性能の違いが大きいと思います。車輪としての剛性は、前輪の方がハブのフランジの幅がより広く、左右のスポークが均等に張られているので横方向の剛性や強度が高くなっています。しかも後輪と違い駆動トルクが加わらないので強度的にはスポーク数が少なくても十分なのです。ブレーキング時のマイナスGへの対応も問題なしです。前輪はスポークの横への出っ張りが空気抵抗になることを嫌い、ハブのフランジを狭く設計したモデルも有ります。スポークは中級・上級モデルは基本的には扁平加工されたエアロダイナミクスタイプが多くなっています。細い15番ゲージ、一般的な14番ゲージはステンレス合金製です。そしてスポークがアルミ合金のキシリウムやフルクラムなどのモデルは、14番ゲージよりはるかに幅広のエアロスポークが採用されているものもありにます。とにかく、構造体としては細いスポークですが、丸い断面のスポークのホイールを使って走ったときと、エアロスポークを使ったホイールとでは、スピードが上がれば上がるほど明らかに空気の抜け(空気抵抗)の違いを実感します。



■ R―SYSテストホイールの回収の真実

丸い断面の専用のカーボンスポークを採用している軽量ホイールです。リムはキシリウムESやSLのデザインを踏襲しています。今までのホイールとの違いは接地している部分だけが路面からの荷重を受けて、リムが内側に押され、カーボンスポークが支える構造のコンプレッションホイールの状態で、そのほかのカーボンスポークは引っ張ってリムを張って支えているテンション構造になっています。このホイールのカーボンスポークの張り(張力は)は最近のホイールとしては低い設定になっています。そのテンションに設定しておかないとコンプレッションとテンションの繰り返しの状態にならず、このホイールは縦方向に柔らかくショック吸収性がよく、横方向や駆動方向に剛性を感じて強い、という特性を発揮できなくなります。リムにネジ止めされた丸い棒のようなカーボンスポークは接地している瞬間にハブ軸の方向に突き上げられ、圧力がかかった状態でホイールを支えます。



■R−SYSの消耗品交換の目安は?、ちょっと判断が難しい!

ハブのフランジに通されたカーボンスポークの先端には、ハンマーのような形状のアルミのニップルが接着されています。路面と接地したコンプレッション時のそのアルミニップルの突き上げを受け止めているのが、フランジの内側へ圧入されているリングです。接地するたびに、このリングの面へニップルが押し付けられ、長く走るとリングの表面に傷が発生します。このリングの傷つき消耗した状態を確認して交換する必要があるのだそうです。さらに、ハンマリングを行ったニップル側の変形も考えられるので、交換する必要があるそうです。その交換の時期の目安の距離を輸入元のメカニックスタッフに聞きましたが、例によって使用条件が違うから一概に言えない。リングの消耗を基準にして、ニップルによるハンマリングの傷がリングの周り全体に広がったとき、リングが周ってしまったとき、2回着脱したらリングは交換することを薦められました。そのリングの具合で判断して欲しいとのことでした。R―SYSのテストホイールの回収は、生産開始当初のこのリングの圧入の重要性を現場の組み立て担当者たちが認識していなかったことが原因で、セットしてあればいい程度の認識だったのを、真っ直ぐに圧入するように変えることで解決で来ているそうです。回収した試乗用のR−SYSホイールの確認ポイントは、このリングの圧入と修正だったそうです。でわでわ。
| - | 20:01 | comments(2) | - |
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