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月刊サイクルスポーツではおなじみのフリーライター藤下雅裕氏によるブログ「自転車生活」。
藤下さんの「自転車生活」VOL.421

苦しくても脚へのダメージが少ない回転重視のペダリング

 

回転重視のペダリングへのチャレンジしてみてください。

踏んでいないと速く走れていないんじゃないかと思いがちです。

確かにグイグイ踏み込むペダリングで走るとスピードは出ます。

でも、その高い運動レベルを続けて走り切るには、LSDトレーニング、レジスタンストレーニング、最適なフォーム

踏めて回せるペダリングの修得、体幹トレーニング、回復

特に上り坂を速くなりたければ、体脂肪量や体重のコントロールなどが必須となります。

 

250ワットから450ワットの大きなパワーで、登坂抵抗に打ち勝って、時速23kmから30kmのスピードを維持して

バイクを前へ進ませるヒルクライムレースでパフォーマンスを発揮するには、体内に酸素を取り入れる心肺機能も

乳酸の発生に耐えて筋肉を収縮させ続ける耐乳酸性も

爆発的に発生した乳酸を血液に乗せて肝臓へ運び出してグリコーゲンへ還元する乳酸除去能力も

その能力を刺激して開発する、乳酸に耐えて運動を続ける、苦しいレジスタンストトレーニングで鍛える必要があります。

 

大きな抵抗が発生する登坂抵抗に打ち勝つ、高トルクを発生するペダリングが常に要求される

ヒルクライムレースの特性に合わせて本格的に鍛え上げているライダーなら

男性のトップライダーのようにスタートから乗鞍マウンテンヒルクライムの22km先のフィニッシュまで

1時間を切って走り、踏み味の重いクランクを踏み続けたり回し続けることができるかもしれません。

女性ライダーでも1時間7分が乗鞍で上位入賞を狙うライダーの目標設定です。

 

だけど、そんなヒルクライムにターゲットを絞って本格的にトレーニングしているライダーでも

スタートからフィニッシュまで一本調子で走っている分けではありません。

乗鞍の6%から8%の勾配の上り坂で、登坂抵抗に対抗するパワーを発揮して

時速23kmから30km前後のスピードを維持して走りつつ、上り坂の勾配や距離に合わせて

筋力的に負荷のかかるクランクを踏み込む力と、心臓や呼吸系に負荷のかかる回転力との

パワーを発揮できて1時間継続できる、絶妙なバランスを探しながら走りパワーセーブして走ります。

 

上り坂の途中で、途中で疲労物質が蓄積して筋肉の収縮力を抑制して脚の本来の動きが止まってスピードダウンしないよう

ぎりぎりの運動強度を把握して、ここは踏み込む場所、ここはスピードを維持して行く場所と

走り方を切り替えて、ロケーションに合った効率のいいスピードとパワーで走って、トータルでタイムを短縮する走りをしています。特に森林限界を越えた当たりからは深い呼吸を意識して、回数を増やしても体内に取り入れられる酸素量が減って、有酸素運動がきつくなってパワーダウンするので、無酸素運動レベルを頼りにしがちです。乗鞍のヒルクライムコースの走行を経験することで、ペース配分や使用するギヤ比を検討して、効率のいい走り方を身に付けます。

 

ヒルクライムのレースは常に登坂抵抗との戦いになり、スタート直後からフィニッシュまで大きなパワーを発揮し続けることになります。

高いレベルでの有酸素運動と、無酸素運動のミックス状態になります。

登坂抵抗に打ち勝つための踏み込むペダリングは、無酸素運動の領域に入るので、乳酸が発生して

しばらくその高い運動強度レベルを続けると、大きな力を発揮できる無酸素運動が優位になって、爆発的に乳酸が発生します。

乳酸濃度が高まっても筋肉の収縮を続けられる、耐乳酸性には個人差があります。

そのライダーが耐えられる乳酸値のレベルを上回ると、筋肉の収縮を抑制し始めてパワーダウンします。

 

まだそんな、踏み込むペダリングで22kmを走りきれないというライダーは、回転重視のペダリングで上ることにチャレンジしてみましょう。

上り坂を回転重視で走り切るのも、呼吸数や心拍数が上昇する苦しさに耐える覚悟がいります。

でも、脚の筋肉の収縮を妨げる乳酸の発生を抑制することができます。

毎分95回転から110回転をキープできる軽めのギヤ比で、脚の筋肉の動きが重くなりにくいペダリングで走ります。

 

毎分95回転から110回転キープの回転重視のペダリングで走ると、まず戸惑うのは呼吸数が上昇して苦しくなること

そして心拍数も170拍を越えてドキドキしてきて、これは肉体的にも精神的にも苦しいので

効率が悪いのではとか、苦しくて続けられないとか、疲労が激しいのではと思ってしまいがちです。

特に初めての体験ではそう思ってしまい、踏み込むペダリングで筋肉のパワー頼りのペダリングに戻してしまうライダーが多いのです。

 

でも、初めての回転重視したペダリングでの上り坂の走りは、呼吸や心拍が上昇して苦しい走りでも

走り切った時の脚の筋肉のダメージが少ないことに気が付くはずです。

最大勾配8%くらいの上り坂を、毎分95回転以上をキープできるギヤ比を選んで走ってもらいました。

最初から110回転で走っていましたが、どうもディープリムホイールのパワーロスのない370gのカーボンリムのホイールより

このライダーにはカーボンロープロファイルリムが350gと軽く

踏み出しが軽いハイペロンの方がマッチしているなと感じて交換しました。

 

34T×32Tの軽いギヤ比で、110回転から114回転で上っています。

呼吸数は上昇して、心拍数も175拍を越えて苦しくなって、肉体的にも精神的にめげそうになるそうです。

でも、苦しいのに脚への負担は余裕を感じてクルクル回せています。

かなり苦しいのに、5kmの上り坂はクランクを110回転で回せて、いままでにないスピードを維持できるという不思議な体験だったそうです。

次の上りセクションは、時速1kmから2kmスピードを落として

軽く回せるギヤ比で100回転から105回転キープの設定で走ってもらいました。

時速1kmから2km落とすことで、かなり楽に走れるようになります。

 

高いケイデンスを保つために脚の筋肉を早く動かすことになり、乳酸を発生させる原因になることもありますが

毎分70回転とか85回転くらいで走るのを楽に感じているライダーは、呼吸数や心拍数が上昇しないことを楽だと感じているのです。

低回転のペダリングで前へ進む感じの、気持ちのいいスピードを維持する走りは、負荷の小さい平地なら、最初の1時間から1時間半は苦しくない気持ちのいい走りと感じます。

ところが、いつまでも続けられそうだった、気持ちがいい走りのはずが、思ってもいない事態になります。

負荷の大きい上り坂では乳酸が爆発的に発生して、スピードを30分も維持できません。

 

低回転の踏み込むペダリングは、乳酸除去能力を上回って徐々に乳酸を蓄積して

乳酸濃度が耐乳酸性を上回って筋肉の収縮が抑制されて、踏めなくなってパワーダウンして、スピードが低下してしまいます。

そうなると、どうにもこうにもクランクを踏み込めなくなって、スピードダウンしてしまいます。

20分とか30分走ると血流によって乳酸が除去されて、また踏めるようになります。

こういう経験をしたことがあるライダーはぜひ回転重視のペダリングにチャレンジしてください。

 

毎分70回転から85回転を心地良いと感じているライダーは、最初は少し軽く感じるギヤ比に設定して

毎分90回転から110回転を目標にペダリングします。

少しずつクランクを回す脚の動き、呼吸数や心拍数の上昇することに慣れていくことをトレーニングします。

そうすると、軽い負荷でパワーを発揮できるようになり、乳酸の発生が抑えられたり

パワーダウンするまでの間隔が長くなったり、快適なスピードを維持して長く走れるようになります。

ヒルクライムだけでなく、ロングライドを元気に完走するための基本的なメソッドです。

ではでは。

| - | 19:53 | comments(0) | - | - | - |
藤下さんの「自転車生活」VOL.420

167、5mmクランクの効果!

 

女性モデルには165mmも採用されているモデルもありますが、一般的な完成車のロードバイクに装着されているのが、170mmの長さでチェーンリングは50T×34Tのコンパクトドライブクランクです。

クランクの長さも、チェーンリングの歯数も、何の疑問も無く使っているライダーが多いと思います。

 

コンポーネントパーツメーカーは、アルミ合金製クランクの時代には、165mmから180mmまでの2、5mm刻みで用意していましたが、いつの間にか170mm以下のクランクは2.5mm刻みでの生産が少なくなっています。

 

チェーンリングも変速性能を追求するために、チェーンの移動のきっかけになる葉先の低いカットティース加工されたり、チェーンの移動しやすいサメの背びれのような歯先形状を採用したり、ギヤの裏側にもチェーンの移動をスムーズにする一工夫が見られます。チェーンが移動しやすいスロープ形状や、チェーンをアウターギヤ側へ引き上げるスパイクピンの設定など、コンピュータ支援のデザインが採用されてリヤ変速と同じようなストレスの無いフロント変速をできるようになっています。

 

と言うわけで、アウターチェーンリングとインナーチェーンリングの組み合わせがセットでコンピュータ支援設計されるようになって、チェーンリングの歯数のバラエティは無くなりました。

 

コンパクトドライブクランクの場合は50T×34Tが定番になりました。

確かにワイドギヤのスプロケットの採用、コンパクトドライブクランクの組み合わせで、ライダーの体力に見合ったギヤ比を実現できるようになりました。だけど、果たしてロードバイク用のドライブとレインは、これで進化を止めていいのか?。

 

もっと広い年齢層の使用を想定したり、パワーの小さいライダーが使いやすいギヤトレインは考えなくていいのかな。

170mm、167、5mm、165mm、160mmのクランクの長さを設定して、身長が低くて脚が短いライダーでもQファクターが狭い設定で、回しやすいように設計して。

 

アウターチェーンリングは44464850T、インナーギヤは28・30・32Tを用意して、1対1以下のギヤ比を実現できて、峠道も乗って上れる喜び、達成感を味わえるロードコンポーネントを開発してほしいですね。

そんな超コンパクトドライブクランクをシマノの変速クオリティで実現してくれないかな。

 

カーボンクランクになってからは、170mm以下は、いきなり5mmも短い165mmというのがカンパニョーロです。

どのグレードでもいいから167、5mmを用意してほしいですね。

 

シマノも、もっとも普及している105や、レーシングクオリティというアルテグラにしても、170mm以下のクランクは5mm短い165mmの設定です。

最高峰のデュラエースだけに167、5mmの設定が残されています。

せめてアルテグラグレードには用意してほしいな。

 

もっともライドに使っているタイムのVXRSのクランクを、170mmから2、5mm短いものへ交換しました。

カンパニョーロのスーパーレコードの4アームのカーボンクランクの170mmから、シマノの11段のデュラエース9000系の旧型、4アームのアルミ合金製クランクの167、5mmへの交換です。

VXRSの時代のハンガーの規格は、BSC&JISのねじ切りハンガーです。

右側が逆ネジ、左側が普通ネジの規格です。

シマノの純正ハンガーカップ&ベアリングは、105、アルテグラ、デュラエースグレードに、この規格のモデルがあります。

 

シマノのホローテッククランクは、チェーンリング側の右アルミ合金製クランクにスチール製の中空ハンガーシャフトが固定されています。VXRS はハンガーの左右にシマノ純正の9100デュラエースグレードのカップ&ベアリングをスパナでねじ込みます。90000系のデュラエースの段階で小型軽量化されたハンガー小物ですが、9000系と最新型の9100系のハンガー小物は互換性があります。

 

プレスフィット系規格のフレームの場合は、カップ&ベアリングを専用工具で圧入して固定しておきます。

ハンガーとカップの圧入部分には圧入作業の時にグリスを塗らないで、ロックタイトの固定の緩いモノや、圧力がかかると固着する樹脂系のグリスを塗って、圧入部分からのキシミ音の発生を防ぎます。

シマノの右クランクンに固定されているハンガーシャフトを、右ハンガーから通して、左ハンガー側から出たシャフトの先端へ、左クランクをハンガーシャフトの千店に付いているセレーションの溝に合わせて差し込みみます。

 

花形の専用工具で左クランクの樹脂製キャップを締め込んで、クランクをハンガーシャフトへ押し込んで、ハンガー小物の回転部にプレッシャーをかけて回転部のガタを無くします。

ここで気になるのが組み上がったクランクを空転させるとすぐに止まることです、動きが重い感じです。

 

左クランクの2本の固定ボルトを5mmアーレンキーで締めて固定します。

このキャップを締め付けるトルクは微妙で、締め過ぎると回転が重くなるし、緩ければガタが出ることがあります。

ホローテッククランクを組んだことがある人や、チェーンリングからチェーンを外して、クランクの回転をチェックしたことがある人なら、シマノのクランクを空転させると、すぐに止まるのを知っていると思います、デュラエースグレードでも動きが重いですから、誰でも少し気になるところです。

 

シマノの純正品のハンガーのベアリングの他にも、チューンナップパーツとしてサードパーティが、セラミックボールベアリングを採用のモデルなど、スムーズに回転するモノがありますが、今回はハンガー小物選びをすること無く、シマノのデュラエースの9100系を取り付けました。

左クランクにプレッシャーをかけるキャップを締め込んで、左クランクを固定すると、やはりクランクの回転がまったりしてすぐに止まります。

これがデュラエースの正常な組み上がりの状態です。

 

カンパニョーロのスーパーレコードのフロント変速機と、エルゴパワーシフターの組み合わせですから、フロントの変速ストロークの調整とシフトケーブルの微妙な張りを調整しました。

カンパニョーロの11段レコードチェーンで、シマノらしいクオリティで、リヤのインデックス変速並にスムーズにフロントが変速することを確認しました。

ミックスコンポでも十分に問題なく作動しますが、この組み合わせの使用ではメーカーワランティは解除されてしまうので、自己責任での使用になります。

 

実際に使い始めたのは土曜日のマジカルミステリーツアーからでした。

サドルの高さは170mmの時とまったく同じ設定です。

2、5mm短くなったのでサドルを下げるという考え方もありますが、慣らし運転のつもりでどう感じるかでサドルを上げるかを判断することにしました。

しばらくは平坦コースでクランクの回しやすさを実感しました。

ペダルシャフトの描く円の直径は5mm短くなります。

と言うことは円周にすると約15mm短くなります。

脚の上下方向の動きや足が描く円は小さくなりました、走り出してすぐに、はっきり実感できます。

 

何が大きく170mmクランクのペダリングと変わったか。

上死点を足が通過して、脚を踏み込むタイミングがすぐにやって来る感じがあります。

踏み込むフェーズ、引き上げる脚のフェーズの間隔が短く、脚の動きがスムーズに移行できます。それがクランクの回しやすさとして感じるのです。

 

短くなったクランクの回しやすさは、ケイデンスが80回転以上できるギヤ比の設定の時に、平地も上り坂も、向かい風でも強く感じました。でも、上り坂やコーナーからの立ち上がり加速の時に、ギヤ比が重過ぎて毎分80回転未満の低回転になってしまうと、踏み出しを重く感じてしまいます。

 

ケイデンスを80回転以上をキープする変速のタイミング、選ぶギヤ比を軽めに設定することに慣れると、短いクランクの回しやすさや乳酸の溜まりにくい、快適な走りを実現できるようになります。

 

特に緩い上り坂では、軽めのギヤ比に設定して、毎分90回転から110回転くらいをキープして上り切ると、170mmクランクで上ったときより、明らかにクランクは回しやすく、呼吸器系や心臓系への負担は増しますが、坂の頂上へ着いた時の乳酸の発生具合が低く脚は楽なのです。

 

ドラフティング走行の時もクランクの回しやすさをはっきり感じました。

足が上死点を越えてから、踏み込むフェーズがすぐにやってきて、170mmクランクの時より脚の踏み込みの動作を意識することなく、楽に付いて行けます。

170mmクランクが一般化しているので、長さに疑問を持たないで走っているライダーもいると思います。

たった2、5mmの差ですけど、もしかしたら167、5mmクランクでペダリングを快適にできるようになる可能性があります。短いクランクにチャレンジしてみてください。

ではでは。

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